魚とジャガイモ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 15:42 UTC 版)
「フィッシュ・アンド・チップス」の記事における「魚とジャガイモ」の解説
19世紀中ごろのイギリスでは、既に魚のフライとポテト・チップスが店舗で販売されていた。本来は魚のフライはユダヤ人セファルディ系の移民が安息日に食べていた料理をイギリスにもちこんだものであり、その販売業はロンドンに住んでいたユダヤ人を発祥としていた。1840年代のソーホーでは魚のフライをごく普通に購入することができた。ポテト・チップスの販売業はランカシャーのマンチェスター北東にあるオールダム(Oldham)で始まったとされているが、これはイギリスにおいてジャガイモを食用にする習慣は北部から広まったことに由来する。二つのフライが「フィッシュ・アンド・チップス」として一緒に販売される形態が普及するのは1860年代以降である。これには産業革命により急速に整備された鉄道輸送が寄与しており、ミッドランド・ディストリクトやリンカンシャーなどの地方からジャガイモと魚が大都市に運ばれることにより食文化として成立することとなった。 フィッシュ・アンド・チップスの正確な起源は不明であるが、ヴィクトリア朝期に多数存在したホット・パイ・ショップが発祥だと推測されている。ホット・パイ・ショップではパイ以外に魚のフライとチップスも売られていたが、次第にパイではなく魚のフライとチップスが中心になったと考えられている。魚のフライとチップスを提供する店は「フィッシュ・アンド・チップス」と呼ばれ、そこで出される料理そのものも店と同じ名前で呼ばれた。1860年にロンドンのジョセフ・マリンが販売を始めたとされるマリンズ(Malin's)が最古であると考えられているが確かな記録は残されておらず、ランカシャー州モスリーにあったリーズィズ(Lees's)が最古であると考える見解もある。しかしマリンズ(Malin's)は1972年に閉店、リーズィズ(Lees's)も現存してはいない。
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