高速自転の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/15 07:22 UTC 版)
VFTS 102の自転がこれ程高速になった原因としては、主に2つの仮説が唱えられている。一つは、質量移動によるもの、もう一つは、天体の衝突によるものである。 近接連星・接触連星では、恒星間で質量移動が起きると、質量が降着した恒星はその角運動量を受け取り、自転が加速することが、以前から理論的に予測されていた。VFTS 102の高速自転を明らかにしたVFTSチームのメンバーは、この筋書きを支持し、質量移動で自転が加速した後、相手の星がIb・Ic型超新星となって爆発したことで、VFTS 102が逃走星になったと提唱している。そして、VFTS 102の近くにX線パルサーPSR J0537-6910が存在し、パルサーから伸びる淡いX線放射の中にVFTS 102があることから、PSR J0537-6910の前駆天体が、VFTS 102と連星を構成していたのではないかとしている。 一方、連星が衝突、合体する際に、自転速度が3倍から10倍速くなる場合があると、理論的に予測されていることから、VFTS 102の自転速度は衝突でも説明できる、とする説もある。 他にも、形成時から高速で自転していたとする説や、主系列星へ進化する段階で核の角運動量が恒星表面へと輸送されて高速化したとする説もある。
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