高速カラープリンター「オルフィス」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 23:56 UTC 版)
「理想科学工業」の記事における「高速カラープリンター「オルフィス」」の解説
CMYK4色のインクジェットヘッドを並列に配置し一度にインクを吐出させることで、A3サイズ相当の用紙短辺幅に瞬時に印刷できる、ライン型インクジェットプリンター。「リソグラフ」では不可能だった、カラー(4色)化とバリアブル印刷(Variable data printing=可変印刷。1枚ずつ内容の違う印刷を行うこと)を可能とした。インクには、独自に開発された専用の油性顔料インクが使用されている。油性インクは速乾度が高いため、高速プリントでも用紙が汚れたり波打ったりすることが少なく、従来のインクジェットでは難しかった高速両面プリントを実現している。 2003年12月に、オリンパス光学工業株式会社(現・オリンパス株式会社)と共同開発した「オルフィス HC5000」を発売すると、2005年には「オルフィス HC5500」を、2009年には「オルフィス Xシリーズ」を発売。そのプリントスピードは「HC5000」が毎分105枚、「HC5500」が毎分120枚、「Xシリーズ」が毎分150枚と、発売の都度進化を遂げていき、世界最速※2を更新していった。 オリンパス株式会社との共同開発から生まれた「オルフィス」だったが、2011年には合弁を解消し、理想科学工業株式会社へ事業譲渡がなされた。2013年に発売した「オルフィスEXシリーズ」は事業譲渡後に最初に発売された「オルフィス」となり、多様化する印刷ニーズに応えるため「くるみ製本フィニッシャー」や「メーリングフィニッシャー」との組み合わせで簡易製本や封入・封かんまでを自動化するなどの拡張性が強化された。 2016年には「オルフィスFWシリーズ」と「オルフィスGDシリーズ」を発売。「FWシリーズ」は従来比約3分の2とコンパクトサイズ化を果たし、静音性も向上させた。「GDシリーズ」は、トータルプリント枚数1,000万ページという耐久性を備え、加えてCMYK4色だったインクに新たにグレイインクを採用することで、高い画像再現性を実現した。さらに「GDシリーズ」のプリントスピードは毎分160枚と、「オルフィス」は世界最速を更新し続けている。 2019年3月には、「FWシリーズ」の後継機種「オルフィスFWⅡシリーズ」が発売され、プリントコストの低減と印刷物の視認性が向上した。 また、2020年10月には、「オルフィスFTシリーズ」を発売。コンパクトなサイズでありながらプリントスピードを従来機の毎分120枚から140枚に高速化し、生産性が向上した。
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