高温測定において生ずる誤差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/20 21:35 UTC 版)
「非定常熱線法」の記事における「高温測定において生ずる誤差」の解説
高温での測定は、常温の測定に比べて試料温度の保持状態や均熱性の良否に起因した大きな誤差を伴う 傾向がある。これは(2)式を導く際の仮定条件の実現にかかわるもので、一つは試料内の温度勾配であり、もう一つは試料保持温度の変動の大きさが主因である。 まず、前者の影響を調べるために、試料の上下面に種々の温度差を与えておいて熱伝導率を測定したところ、試料の中心温度に対して±1O%以内であれば、たとえ温度差があっても測定値は±5%の誤差内におさまり、この影響は比較的少ないことがわかっている。これに対して、JISが測定時間としている5分間で、試料温度に表1のような変動があったとして、それによる誤差を推算した結果は、熱線上昇温度が小さいと温度変動が少なくてもかなりの誤差を生ずることがわかる。前述のISO 8894-1ではこの温度変動を0.02℃/10分以内にするよう規定されているが、この条件を実際の電気炉で満足させるのは容易なことではない。そこで、熱線上昇温度を5℃以上とし、5分間の温度変動を±0.1℃以内におさえれば実用の測定には十分と考えられる。
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