香港の書籍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 18:31 UTC 版)
香港ではもともと、イギリス統治下とそれに続く一国二制度下での出版の自由が保障され、中国共産党に批判的な本が出版されていた。2012年頃までは、これらの書籍を大陸側の中国人旅行者がお土産として持って帰るという光景も見られた(ただし、税関の没収対象であった)。有名な例としては、アメリカに亡命中の中国の人権活動家、余杰が執筆した『中國教父習近平』や、天安門事件を記した「國家的囚徒:趙紫陽的秘密錄音」などが挙げられる。しかし、2015年の銅鑼湾書店事件を契機に、この状況に変化が訪れた。 すでに前年の2014年香港反政府デモにおいて、香港人意識や自治、自決、香港独立など主張する香港民族主義が香港本土派を中核として高まっていたが、こういった状況を背景として陳雲の『香港城邦論(中国語版)』、香港大学学生会の『香港民族論』などが相次いで出版された。2015年には、梁振英行政長官が、香港人が一つの民族であり自決権があると主張する『香港民族論』を名指しで批判したものの、香港での取り締まりまでは至らなかった。
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