香料・香木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 20:32 UTC 版)
香料や香木が東ユーラシアに流通するのは紀元1世紀頃からであり、ソグド人の東方進出と同時期にあたる。同じく時期に伝来した仏教の儀礼において香料は重要であり、仏教の普及が影響したとされる。香料の中でも価格の高いものが麝香だった。麝香のほかでは、沈香・鬱金花・白檀・丁香が高かった。 ソグド語古代書簡によれば、麝香はソグド人の商品だった。麝香は重量と値段のコストが良いために遠距離交易に適していた。麝香が採れるジャコウジカはソグディアナに生息していなかったので、ソグド人は市場で仕入れていたと推測される。歴史学者・地理学者のヤアクービーによれば、カリフの宮廷では最高級はチベットの麝香、次がソグドの麝香、その次が中国の麝香であり、ソグドの麝香はホラーサーンの商人がチベットで買ったものとされている。イブン・ハウカルの記録では10世紀でもソグドの麝香が取り引きされており、アブー・ザイド(英語版)はソグド商人が持っていた麝香について書いている。ソグディアナからチベットをつなぐ麝香のルートは12世紀まで記録があり、サマルカンドは麝香交易を主導していた。ソグド人にとって麝香は主に西アジア方面に送る商品であり、陸路と海路で運んだ。
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