食料品中の含有量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 18:54 UTC 版)
「カルバミン酸エチル」の記事における「食料品中の含有量」の解説
1984年以降の研究により、アルコール飲料中に痕跡量(15 ppb から 12 ppm)のカルバミン酸エチルが含まれていることが明らかにされてきた。その後の研究では、醗酵によって作られる他の食料品や飲料にも痕跡量含まれることが示されている。例えば、パンには 2 ppb、醤油には 20 ppb 程度含まれる。カルバミン酸エチルはエタノール(アルコール)と尿素の反応によって生成することがわかっている。 C 2 H 5 OH + ( H 2 N ) C = O ⟶ H 2 NC ( = O ) OC 2 H 5 + NH 3 {\displaystyle {\ce {{C2H5OH}+ (H2N)C=O -> {H2NC(=O)OC2H5}+ NH3}}} この反応は高温ではより速く進行するため、デザートワイン、フルーツブランデー、ウイスキーなど、製造過程で加熱が行われる飲料からはより高濃度のカルバミン酸エチルが検出される。ワイン中では、尿素は酵母などの微生物によってアルギニンやシトルリンが代謝されることで生成する。この過程を完全に防止することはできないが、ぶどうの木への施肥の調整、過熱を極力抑えることなどで最小にとどめることができる。微量のカルバミン酸メチルもワインから検出されている。1988年、ワインなどのアルコール飲料の製造者たちは、アルコール飲料中に含まれるカルバミン酸エチルをワインでは 15 ppb 未満、より強い酒類では 125 ppb 未満に抑えることに合意した。
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