飛行分科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 07:28 UTC 版)
飛行戦隊を中心に、陸軍航空部隊の各飛行部隊には以下の飛行分科(分科)および相当の装備機種が決まっていた。 「戦闘」 - 戦闘機 「重爆」 - 重爆撃機 「軽爆」 - 軽爆撃機 「襲撃」 - 襲撃機 軽爆撃機より近接航空支援(「地上攻撃機」)に比重を置いている 「司偵」 - 司令部偵察機 主任務は航空作戦や大規模地上作戦に密接した戦略偵察 「偵察」 - 軍偵察機・直協偵察機 主任務は地上軍に密接した戦術偵察。「偵察」戦隊では軍偵・直協を混用することが多い 「輸送」 - 輸送機 輸送任務は陸軍航空輸送部や輸送飛行中隊の担当であり、本来は実戦飛行部隊たる飛行戦隊の任務ではなく、編成された輸送戦隊は大戦後期の2個戦隊ほどに留まる 「対潜」 - 軍偵察機・重爆撃機・指揮連絡機 主任務は対潜哨戒ならびに爆雷攻撃。大戦後期に主に独立飛行中隊に対し設けられた分科で、「偵察(軍偵・直協)」から改編された部隊が多い。確実戦果としては独立飛行第73中隊(装備機・九九式軍偵)による「ブルヘッド」撃沈など。 また揚陸艦(強襲揚陸艦)である特種船「あきつ丸」を対潜用護衛空母としても使用するため、分科「対潜」の独立飛行第1中隊(装備機・三式連絡機)が編成され、いわゆる艦載機として運用されている 部隊や時期によってはこれら各分科や機種を束ねることもあった。主に大戦後期においては更なる戦闘隊増強の要求から重爆・軽爆・襲撃から「戦闘」へ分科を転科した操縦者や部隊も多く、また戦闘隊が落下タンクの代わりに爆弾やタ弾を搭載し、戦闘爆撃機として臨時の軽爆・襲撃隊として使用されることも珍しくなかった。 偵察隊とりわけ「司偵」は戦略偵察任務の特殊性や大きな需要から、部隊(戦隊・戦隊1個中隊・独飛中・独飛隊)の改編や吸収統合が特に激しく複雑であった。
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