顎/歯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 04:29 UTC 版)
顎に並ぶナイフ状の短い歯は、ほとんどが同じ長さで生えそろっていた。これは肉食性の獣脚類としては珍しい。 デイノニクスは2005年に咬合力(噛む力)の推定値が生体力学的に算出された。その研究によると本種の咬合力はアリゲーターの咬合力の15%しかなかったとされた。アリゲーターの咬合力を6000Nと仮定すると、デイノニクスは約900Nの咬合力を持っていた事になる。この数値はシェパードのような大型犬と近い。 ところが別の研究者によって全く異なる数値が導き出されている。こちらの研究では、テノントサウルスの化石に残された本種の噛み傷を手がかりに、彼らの咬合力を直接導き出した。結果は4100N〜8200Nで、結果は前述の生体力学による数値よりもはるかに強力だった。この数値はアリゲーターやハイエナの記録に匹敵している。また、成熟したデイノニクスが大型生物の骨にすら明確な傷を残していた事からも、本種の潜在的な咬合力の高さが伺える。 しかし研究者は本種が骨を頻繁にかじっていた訳でないとしている。研究者のジグナックの推測によれば、本種の顎は直接的な摂食よりも、ライバルとの戦闘/防御や狩りの際に獲物を拘束するといった役割が強いと考えられてる。また本種が獲物を解体する時には、骨や硬い部位(かま)を避けて柔らかい内臓などを切り取って食べていた可能性が高いと考えられている。
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