音素 /x/ の消失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 00:55 UTC 版)
「トルラク方言」の記事における「音素 /x/ の消失」の解説
マケドニア語、トルラク方言、ならびにブルガリア語やセルビア語の一部の方言では、他のスラヴ諸語と異なり、[x]、[ɦ]、[h]といった音価は存在しない。この他のスラヴ諸語では、スラヴ祖語の「*g」に由来する[x]や[ɦ]といった音価は広く一般的である。マケドニア語における「h」の大部分は、借用語や、ペフチェヴォ(Пехчево / Pehčevo)などの一部の方言が話される地方の地名にみられるものである。これに対してマケドニア語標準形はプリレプの方言を土台としている。「千」や「強要」はマケドニア語標準形ではそれぞれ「iljada」、「itno」であるのに対してセルビア語標準形では「hiljada」、「hitno」となっている。また、「ホラ」や「美しい」はマケドニア語標準形の「oro」、「ubav」に対してブルガリア語標準形では「horo」、「hubav」となっている。この違いを分け隔てる等語線は、マケドニア共和国南端でプリレプとペフチェヴォの間を通り、中央セルビアのシュマディヤ(英語版)に達する。シュマディヤの土着の民謡では、「私は欲する」を意味する語として「оћу / oću」が使われており、これはセルビア語標準形では「хоћу / hoću」となる。
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