音程の大きさ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 16:16 UTC 版)
Dを起点としたピタゴラス音律の各音程の周波数比率。音程名は英語の略称(例:完全五度→P5)。純正音程は太字で記し、ウルフの音程は赤でハイライトしている。 Dを起点としたピタゴラス音律の各音程のセント値の概数。音程名は英語の略称(例:完全五度→P5)。純正音程は太字で記し、ウルフの音程は赤でハイライトしている。 ピタゴラス音律では異名同音的音程は異なる大きさを持つ。表に上記の12の音からの各音程の周波数比率とおおよそのセント値を示す。 その定義上、ピタゴラス音律の11の完全五度は比率3:2、すなわち約701.955セントである。五度圏を閉じるためには、平均律がそうであるように、12個の完全五度の平均値は700セントであることが要求されるため、 残る1つは約678.495セントになる(ウルフの五度)。このウルフの五度は異名同音による五度であるため、より正確には減六度である。 9つの短三度は約294.135セント、3つの増二度は約317.595セント、その平均値は300セント。 8つの長三度は約407.820セント、4つの減四度は約384.360セント、その平均値は400セント。 7つの全音階的半音(短二度)は約90.225セント、5つの半音階的半音(増一度)は約113.685セント、その平均値は100セント。 つまりピタゴラス音律では、異名同音的音程にはピタゴラスコンマ1つ分(約23.460セント)の差が存在する。 ピタゴラス音律は純正な長三度を持たないが、減四度として生成された音程は長三度の純正音程(比率5:4、約386.314セント)と僅差(約1.954セント)になる。これはピタゴラス音律の長三度と純正な長三度の差であるシントニックコンマ(約21.506セント)が、ピタゴラスコンマとごく近いことによる結果である。
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