離岸流による事故と対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 03:51 UTC 版)
遠浅の海岸を中心に発生しやすいため、海水浴客が知らず知らずに巻き込まれ、沖合に流され事故となるケースがある(例:流されたビーチボールや浮き輪を追いかけて知らず知らずに沖合に流される。技術の未熟なサーファーが流れに巻き込まれ沖合に流される、シュノーケリングで海中の景観に気を取られている間に沖合に流される等)。沖合では僅かに高い波も漂流者の視界を奪い方向感覚が掴めなくなり、自分が流されている方向すら分からなくなる。複雑な流れにより急に波浪が高くなることもあり、海水にもまれそのまま溺死してしまう可能性が高い。 各国の海水浴場では毎年のように相当数の犠牲者が出ている。例えばフロリダでは離岸流による死者の数は、竜巻の被害者数とサメの被害者数を足した数よりも大きい。 日本で離岸流によると思われる被害が最も大きかった海浜事故として、昭和30年(1955年)7月28日に、三重県津市の中河原海岸において、市立橋北中学校の女子生徒が水泳の訓練中に見舞われた事故がある(橋北中学校水難事件)。海が静穏だったにも関わらず、突然大きな波が襲い、生徒たちが次々と海底に引きずられ36名が死亡した。中河原海岸は遠浅であるが、付近の安濃川から流れ込むことによってできた窪みがある海底地形とその川の流れにより発生した離岸流が原因であるとの説明されている。地元では、その流れにより発生する「タイナミ」と呼ばれる波が知られている。
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