集団免疫の不足
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:34 UTC 版)
「スーパー・スプレッダー」の記事における「集団免疫の不足」の解説
集団免疫は、ある疾患へ免疫を持つ人物によって、集団内での疾患拡散が防がれ、結果としてその集団で免疫を持たない人物が感染から守られるという間接的な効果を指す。集団内で免疫を持つ割合が大きくなるほど、感染可能性のある接触機会が減り、アウトブレイクも発生しにくくなる。疫学上、集団免疫は「従属性現象」(英: dependent happening)と呼ばれ、時間を越えて感染性に影響することが分かっている。生存者に免疫力を付けるような病原体が、感受性を有する集団内で伝播する場合、感染の可能性がある接触はどんどん少なくなる。感受性のある個体が残っていたとしても、接触相手に免疫がある可能性が増え、結果として感染拡大が防がれる。集団内で免疫力を持つ割合が一定の水準を超えると、その疾患は伝染を起こさないようになるが、この水準のことを「集団免疫閾値」(英: herd immunity threshold)と呼ぶ。この値は病原体の感染価や、ワクチンの有効性、また集団内の接触数によって変動する。またこの閾値はアウトブレイク発生を完全に否定するものではなく、あっても限られたものになるという数字である。
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