開票不正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 23:29 UTC 版)
「第2回衆議院議員総選挙」の記事における「開票不正」の解説
流血の事態が目につくが、高知と富山では開票所を管理する選挙長(知事任命の郡長)が不正な開票を行ったため当選訴訟が提起され、最終的に当選者が逆転した。高知2区(定員2名、2名連記投票)では自由党前議員片岡健吉(779票)と林有造(773票)が片岡直温(854票)と安岡雄吉(844票)に敗れた。しかし、選挙長が自由党支持者が投票したはずの票を読み上げなかったため、不審に思った者が投票現物と明細書の閲覧を求めた。明細書のみ閲覧が許された。投票現物の証拠保全の請求も行ったが、却下され、当選訴訟中に投票現物は紛失したと報告された。訴訟では1審・大阪控訴院判決は証拠不十分で敗訴したが、上告審・大審院判決は投票箱の錠が破損していたことを重く見て1審判決を破棄して名古屋控訴院に差し戻した。全有権者調査によって片岡(健)・林が片岡(直)・安岡を上回ったため勝訴し、最終審・大審院判決で確定した。同様に富山4区では、改進党前議員島田孝之(1300票)が武部其文(1341票)に敗れたが、選挙長が島田票を大量に無効判定したため、当選訴訟となり、投票現物の確認により無効票のうち69票が島田票と認定され、勝訴した。2件とも選挙管理者によって選挙結果のねつ造がなされたのである。
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