金融業界での経歴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 06:11 UTC 版)
「ナシム・ニコラス・タレブ」の記事における「金融業界での経歴」の解説
タレブは、自分自身のことをビジネスマンというよりも無作為性の認識論者であると捉えており、金融トレーダーの仕事は、権威からの独立と自由を得る手段と考えていた。このことは、2001年に出版された処女作 Fooled by Randomness にも書かれており、同書はウォール街でカルト的人気を博した。この本は、23の言語に翻訳されている。 タレブは、金融トレーダーとして、リスクや不確かさの定量化に関して、懐疑的なアプローチを取っている。彼は、安易に構築された数理モデルや統計学モデルには深い不信感を抱いており、金融関係の学界、特に経済学者を軽蔑していた。タレブは、過去にさまざまな職を転々としている。例を上げると、UBSの常務取締役兼専任トレーダー、CS-First Bostonでの、通貨、商品、ドル以外の確定利付き証券などの裁定取引デリバティブトレーダーの国際責任者、インドスエズ銀行の為替デリバティブの主任トレーダー、CIBC-Wood Gundyでの常務取締役兼金融オプション裁定取引の国際的責任者、Bankers Trustでのデリバティブ裁定取引トレーダー、BNPパリバでの専任トレーダー、シカゴ・マーカンタイル取引所での独立オプション市場の開発、などである。トレーダーとして引退した後(1999年)に、 Empirica LLC という金融ファンドを創設した。しかし、2004年にはそれもやめて、文筆業と研究に専念するようになった。現在は、Empiricaでパートナーだった Mark Spitznagel が創設したファンド Universa Investments のアドバイザーを務めている。
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