金属コイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 23:00 UTC 版)
「超選択的気管支動脈塞栓術」の記事における「金属コイル」の解説
プラチナ性の血管塞栓用コイルであり、廉価であるがその構造上押し出すことしかできず、やり直し効かない pushable coilと、比較的廉価でやり直し留置が可能な機械式 detachable coilと、高価だが安全かつより精緻なコントロールが可能な電気離脱式コイルの3種類がある。岸和田リハビリテーション病院喀血・肺循環センターのIshikawa/Ryuge/Haraらは、金属コイルによるBAEをssBACE(エスエスベイス)と命名し、世界最多症例数のBAE長期成績論文を2017年に発表している。下記のように、同センターにおいてはもっとも重篤な合併症である脊髄梗塞を、世界最多の累計3700例(手技)でありながら一例も起こしていないという。 なお、金属コイルでBAEを一回実施すると再治療ができないというエビデンスを伴わない風説が一部に流布しているが、Ryugeらは、2018年に出版した再喀血機序を論ずるEuropean Radiologyの論文の中で、再喀血に対する再BAEにおける手技的成功率が97.7%に達していることを示している。 また後述のように、Ishikawaらは、ゼラチンスポンジ(GS)とNBCAとを比較してコイルによるBAEは有意に脊髄梗塞の発症が少ないこと、また、比較的高価なコイルによるBAEも、総入院コストとしては、コイル 17042ドル、GS 11458ドル、NBCA 15708ドルと、NBCAとは大きな差がないことが示された。
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