金属クロムの発見
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「ステンレス鋼の歴史」の記事における「金属クロムの発見」の解説
詳細は「クロム#歴史」を参照 ステンレス鋼の歴史は、ステンレス鋼の必須元素であるクロムの発見から始まる。1761年、ヨハン・ゴットロープ・レーマン(ドイツ語版)が、赤みがかかったオレンジ色の鉱石をシベリアの鉱山から入手した。彼はサンクトペテルブルクへそれを持ち帰ると、1766年にその鉱石には鉛が含まれていることを報告した。この鉱石は「シベリアの赤い鉛」と呼ばれるようになり、赤色またはオレンジ色の顔料として重宝された。この鉱石は現代では紅鉛鉱として知られ、クロム酸鉛(PbCrO4)で構成されるものであった。 1789年ごろ、この「赤い鉛」の分析の依頼が、フランスの化学者ルイ=ニコラ・ヴォークランが働く研究室へやって来た。ヴォークランは、試行の末に木炭還元処理によって未知の金属を「シベリアの赤い鉛」から発見した。1797年、ヴォークランはこの分析成果の第一報を発表し、この未知の金属を「クロム」と名付けた。また、同時期の1798年に、ドイツの化学者マルティン・ハインリヒ・クラプロートが、ヴォークランとは独立に「シベリアの赤い鉛」に含まれるクロムの発見を報告した。しかし、クロムの金属としての利用に関心が持たれることは、当時はあまりなかった。
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