野生動物の権利
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:20 UTC 版)
P.シンガーは、自然介入の複雑さをもとに、動物の殺害や残虐行為を止めれば十分で、野生動物は放っておくべきである、としている。レーガンは不正義を防ぐ義務は不運を予防する義務より重いため、人間は狩猟してはならないが、自然が原因の苦痛などから野生動物を保護する必要はなく、放っておけばいい、としている。フランシオンも同様に、アメリカの法律が傷病者の救護義務を一般人に課さないように、野生動物を助ける必要はなく放っておけばいい、としている。 スー・ドナルドソンらは、先住民族の土地をヨーロッパ人が植民地支配したのは不正であるという例を引き合いに出し、野生動物は領内で社会を作る利益を持ち、侵略者から彼らを保護するために主権を認めるのは有効であると指摘している。野生動物に主権を認めることは、①人間の居住地の拡大は許されず、②生態系を破壊するような開発から人間と野生動物の双方に利益があるような持続可能な開発へとシフトすることを意味するものの、個別の窮状におかれた個体の支援とは矛盾しないと述べている。なお、外来種の移送については、動物の権利を侵害するため、禁じるべきであるとしている。 ジェフ・マクマハンは、人間の野生動物への悪影響が既にあるので、野生動物の苦痛を減らす介入をするべきだとしている。
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