野生で発見された変異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 04:09 UTC 版)
「ウチョウランの個体変異と園芸品種」の記事における「野生で発見された変異」の解説
純白花(じゅんぱくか) アントシアニンの生合成能力を欠く。植物体全体から赤みが消え花粉塊は黄色い。メンデルの優劣の法則どおりに劣性遺伝する。 紅一点花(こういってんか) 基本種では唇弁に複数の小さな斑紋があるが、この変異個体は大きな斑紋が1個だけある。劣性遺伝。 白紫点花(しろしてんか) 純白花と同様の白い花だが、唇弁の斑紋のみが基本種と同様に出現する。劣性遺伝。 無点花(むてんか) 上記と逆に、地色は発色するが斑紋が消失する。 連舌花(れんぜつか) 基本種は唇弁に切れ込みがあって3裂するが、この変異では切れ込みが無く、いわゆる「一枚舌」になる。この形質の遺伝には複数の因子が関与しているようで、まったく切れ込みのないものから基本種に近いものまで連続した変異がある。 斑紋花(はんもんか) 唇弁に斑紋のある個体の総称。基本種も斑紋花の範疇に含まれるが、斑紋の形状や数などに特徴がある場合に、この名で呼ぶことが多い。 黄花・桃花・赤花(きばな・ももばな・あかばな) 野生黄花は黄色というよりクリームイエローに近い。桃・赤も基本種と色調が異なる程度であるが、その後の交配選別により、鮮明な花色に改良されつつある。 まだら紫鳳花(まだらしほうか) 淡色の地色で、不規則な赤い斑点が多数出現する。斑点の数や形は花ごとに異なり、トランスポゾンなど特殊な要因の関与が考えられる。 咲き分け(さきわけ) 花ごとに違う色になるか、あるいは一つの花の中で色調の異なった部分を生じ、花ごとにその比率が異なる。まだら紫鳳花も咲き分けの一種とする場合がある。 この他にも花の大きさと数、草丈の高低など多数の野生選別形質があるが、多くの場合は複数の遺伝子が関与しているようで、交配に使用した親個体によって後代の表現形質に差異が生ずる。
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