配列バリアント
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ヒストンH2Aは非対立遺伝子型バリアントから構成される。「ヒストンH2A」という用語は、密接に関連したさまざまなバリアントを包括的に指して用いられる。これらのバリアントは多くの場合数アミノ酸の差異しか存在しない。特筆すべきバリアントとしては、H2A.1、H2A.2、H2A.X(英語版)、H2A.Z(英語版)がある。H2Aのバリアントは"HistoneDB with Variants" databaseで検索することができる。 細胞の分化によってバリアント構成には変化が生じる。神経細胞の分化の過程では、合成とターンオーバーの変化によってバリアント構成に変化が生じることが観察されている。神経細胞の分化の過程で唯一一定して存在するバリアントはH2A.Zである。H2A.Zは従来型のH2Aコアタンパク質に置き換わり、遺伝子サイレンシングに重要な役割を果たす。近年の研究では、H2A.ZはSwi2/Snf2関連ATPアーゼであるSwr1を用いてヌクレオソームへ組み込まれることが示唆されている。 同定されている他のH2AバリアントしてはH2A.Xがある。このバリアントはC末端領域が長く、DNA修復に利用される。このバリアントが利用する修復方法は非相同末端結合(NHEJ)であり、DNA損傷が直接的にこのバリアントへの変換を誘導する。電離放射線を用いた実験によって、リン酸化されたH2A.X(γH2A.X)とDNA二本鎖切断との関係が示されており、DNA損傷に応答してγH2A.Xが形成される。 MacroH2AはH2Aに類似したバリアントであり、H2AFY(英語版)遺伝子によってコードされる。このバリアントはC末端テールにフォールディングしたドメインが付加されている点でH2Aとは異なる。MacroH2Aはメスの不活性化されたX染色体に位置している。
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配列バリアント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:44 UTC 版)
ヒストンは最も進化の遅いタンパク質の1つである。ヒストンH4には配列バリアントが存在せず、H4の遺伝子は細胞周期を通じて構成的に発現して同一な配列をコードすると考えられてきた。しかし近年になって、ヒト科特異的バリアントH4Gが同定された。
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