遺伝的有病率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/22 01:49 UTC 版)
ファンコーニ貧血は基本的に常染色体劣性遺伝である。これはすなわち、2本の変異した対立遺伝子(両親からそれぞれ1本ずつ)が受け継がれることではじめて発症する疾患であるということである。この両親から生まれる子供にはファンコーニ貧血の危険性が25%の確率で存在する。ファンコーニ貧血のおよそ2%はX連鎖性劣性遺伝であるが、これはもし母親が変異したファンコーニ貧血の対立遺伝子を保有していれば、50%の確率で男児にファンコーニ貧血が生じる可能性があるというものである。 学者たちはこれまでに16種類のファンコーニ貧血遺伝子ないしファンコーニ貧血類似の遺伝子を同定している。これらはFANCA, FANCB, FANCC, FANCD1 (BRCA2), FANCD2, FANCE, FANCF, FANCG, FANCI, FANCJ, FANCL, FANCM, FANCN, FANCP, RAD51CおよびXPFである。このうちFANCBはX染色体上にあり、ほかの遺伝子は常染色体上にある。 現時点では、全世界でおよそ1000人の患者がこの疾患に罹患している。アシュケナージユダヤ人における保因者の割合はおよそ90人にひとりである。ファンコーニ貧血の保因者でありうる家系に対しては、遺伝カウンセリングや遺伝学的スクリーニングも推奨される。 白血球、赤血球、血小板といった血液細胞成分を産生する機能が不全であるため、患者の身体の免疫系機能、酸素運搬機能、凝固・線溶系機能はすべて減弱している。
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