遺伝子の概略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/01 15:12 UTC 版)
「ミトコンドリアDNA枯渇症候群」の記事における「遺伝子の概略」の解説
「病型の分類」節、「徴候と症状」節に記載した遺伝子について解説する。 SUCLA2(英語版)はSCS-Aのβ-サブユニットをコードしている遺伝子である。酵素SCS-Aはコハク酸塩とコエンザイムAからスクシニルCoAを合成する反応を触媒し、またdNTPを回収する経路の最終段階でヌクレオシド二リン酸キナーゼ (NDPK)が形成する複合体にも関与している。 RRM2Bは細胞核で発現する遺伝子であり、リボヌクレオシド二リン酸レダクターゼの2種類あるR2サブユニットのうち片方をコードしている。リボヌクレオシド二リン酸レダクターゼとは、リボヌクレオシド二リン酸を還元してデオキシリボヌクレオシド二リン酸に変換することでDNA複製に必要な前駆体を生成する酵素である。R2サブユニットのうち RRM2B がコードしているものはp53によって誘導され、非増殖性の細胞において正常なDNA修復とミトコンドリアDNA合成を行うために必要である。R2サブユニットのもう1種類は分裂細胞でしか発現しない。 DGUOK(英語版)遺伝子はミトコンドリアデオキシグアノシンキナーゼ (mitochondrial deoxyguanosine kinase, dGK)をコードしており、この酵素はデオキシリボヌクレオシドをリン酸化することでヌクレオチドを合成する反応を触媒する。 POLG(英語版)遺伝子はミトコンドリアDNAポリメラーゼの一部である触媒サブユニットpol γAをコードしている。 この他に、チミジンホスホリラーゼ(英語版) (TyMP)、コハク酸-CoAリガーゼのαサブユニット(SUCLG1(英語版))、PEO1(英語版)/twinkle (C10orf2)の遺伝子変異が病因となる 。
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