遺伝子の最も近い共通祖先
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:07 UTC 版)
「最も近い共通祖先」の記事における「遺伝子の最も近い共通祖先」の解説
生物そのものではなく、それらが持つ遺伝子に対しても最も新しい共通祖先を定義できる。 複数の個体や種が持つ対応する遺伝子だけでなく、遺伝子重複が起こった場合は、同じ個体や種が持っている、同じ起源の複数の遺伝子に対しても、最も近い共通祖先を定義できる。 単純に考えると、遺伝子のMRCAは、それを持つ個体のMRCAが持っているように思える。しかし、有性生殖をする場合は、遺伝子の親子関係は単純な分岐なのに対し、個体の親子関係は網目状で急激に広がるので、遺伝子のMRCAは個体のMRCAより古い。 ミトコンドリアDNAやY染色体は、交叉の単位としては、他のゲノムと交換されない単一の遺伝子とみなすことができる。ミトコンドリア・イヴやY染色体アダムは、本質的には遺伝子のMRCAである。 種間の場合には、基本的に遺伝子のLCAは種のLCAが持っている。しかし、遺伝子重複が起こり、それらのうち片方が消滅し、しかもどちらが消滅したかが種によって異なる場合は、遺伝子のLCAは種のLCAよりはるかに古くなる。
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