道長官の権限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 10:19 UTC 版)
元々は、プラエフェクトゥス・プラエトリオはエクィテスの中から選ばれていたが、コンスタンティヌスの改革によって元老院議員が充てられるようになる。その結果、同時代の文筆家が「最高位の公職」と書き残すほどに、プラエフェクトゥス・プラエトリオ(道長官)が持つ威光と権限は高まった。東西分割後の帝国においては、宮廷所在地であったオリエンス道とイタリア道の長官が皇帝の腹心として上位に位置し、イリュリクム道とガリア道の長官は下位に置かれた。 道長官は、道内の属州の行政機構のほとんどの面に対する幅広い権限を持っていた。比肩しうる権力を有したのは、マギステル・オフィキオルムだけであった。道長官は、セプティミウス・セウェルスの治世から最高位の行政官・司法官としての職務を遂行し、そして財務長官として国家予算を担当していた。司法官としては皇帝の代わりに判決を下す権利(vice sacra)を持っていたが、その判決は下位の総督が下すものと異なり控訴不能であった。 道長官の担当分野は大きく2つに分けられる。一方は、行政・司法上の業務を監督するスコラ・エクスケルプトルム(schola excerptorum)。もう一方は、財務部門を監視するスクリニアリイ(scriniarii)である。
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