運用面の実態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 07:16 UTC 版)
「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」の記事における「運用面の実態」の解説
ハーグ国際私法会議の事務局はProfessor Nigel Loweに依頼して、2003年における運用実態をまとめたレポート「2003年に行われた1980年10月25日ハーグ条約に基づく申請の統計分析(A statistical analysis of applications made in 2003 under the Hague Convention of 25 October 1980 on the Civil Aspects of International Child Abduction (PDF) )」を2008年に公表(アドレス)している。調査は条約締結国に報告を求める形で行われている。 それによれば、2003年に行われた申請は全世界合計で、子の帰還に関するものが1259件、面接交渉に関するものが238件であった。子の帰還に関する申請では、子を連れ去ったとされる者は、母854件(68%)、父367件(29%)、親族25件(2%)、その他7件(1%)であり、圧倒的に母が多い。父母で97%を占める。ただし、本来この条約は営利誘拐などにも適用出来る。 国別では、訴えられた国では、1位アメリカ286件(23%)、2位イギリス142件(11%)、3位スペイン87件(7%)、4位ドイツ80件(6%)、5位カナダ56件(4%)となっている。訴えた国では、1位アメリカ167件(13%)、2位イギリス126件(10%)、3位ドイツ107件(9%)、4位メキシコ105件(8%)、5位オーストラリア75件(6%)である。 申請の結果については、子の帰還となったもの(自発的帰還を含む)628件(50%)、帰還が認められなかったもの413件(33%)、審議中113件(9%)、その他87件(7%)となっている。 年間の全世界での申請数がわずか1259件というのは、費用の面(各国が中央捜査機関Central Authorityを維持する費用、条約事務局を維持する費用など)を考えると、1件当たり非常に高価なものになっていると思われる。
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