進化経済学の革新
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:56 UTC 版)
進化経済学は、リチャード・R・ネルソンとシドニー・G・ウィンター『経済変動の進化理論』(英語版:1982、日本語訳:2007)の登場で新しい生命を吹き込まれた。この本の出現は、1982年以降の進化経済学の展開を刺激し、進化経済学の新しいブレーク・スルーとなった。 進化経済学は、異端の経済学として生まれた。この認識は、長い間、進化経済学を信奉する学者の間にも共有されていたが、近年では、進化経済学こそが現在の経済学の主流であるという考えも示されるようになった。コンピューター科学の発展などが刺激となって、進化に対する新しい考えも生まれてきた。アメリカのサンタフェ研究所では、John Holland や スチュアート・カウフマン Stuart Kauffman により進化的計算(遺伝的アルゴリズムGenetic algorithm)や自己組織化の概念が深化し、生命ばかりでなく、人工物の進化について理論的考察ができるようになった。この潮流は、複雑系経済学 Complexity economicsとも呼ばれることがある。 塩沢由典は、進化経済学の二つの柱として①進化、②自己組織化を挙げている。塩沢によれば、①②は、それぞれ主流派経済学の①最適化、②均衡に対立するものとしている。
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