進化と化石記録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 04:46 UTC 版)
Pneumodesmus newmani アースロプレウラ Arthropleura armata の復元図 多足類の化石は希少で、その多くがヤスデとムカデであり、特にコムカデとエダヒゲムシは琥珀のみによって知られる。多足類の共通祖先は、およそカンブリア紀中期で他の節足動物と分岐したと考えられる。カンブリア紀からデボン紀にかけて生息したユーシカルシノイド類(Euthycarcinoidea)は、口器と複眼の細部構造の類似から基盤的な多足類とも考えられる。 多足類は初期の陸上生活を行った動物として知られている化石記録を含む。これは Wilson & Anderson (2004) に記載された Pneumodesmus 属のヤスデである。原記載はこれをシルル紀中期後半の化石と考え、従って既知最古の陸生動物と見なされた。しかし Suarez et al. (2017) の再検証により、これは直後のデボン紀前期のものと見直された。ムカデの中ではゲジ類が既知最古の化石記録をもち、シルル紀後期まで遡る。 大型節足動物が多く出現する石炭紀では、多足類からも巨大な化石種が現れた。化石ヤスデ類だと考えられるアースロプレウラ類の1属アースロプレウラ(Arthropleura)は、既知最大級の節足動物の1つとして知られ、全長およそ2メートル以上に達する。
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