通常のモノクローナル抗体との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 15:52 UTC 版)
「二重特異性モノクローナル抗体」の記事における「通常のモノクローナル抗体との違い」の解説
通常のモノクローナル抗体を用いたがん免疫療法では、Fab領域が腫瘍細胞との結合に使用されてしまい、またこの種の細胞にはFc受容体がないため、Tリンパ球が活性化されない。二重特異性抗体は細胞障害性が高く、比較的発現の弱い抗原にも結合する。有効量は0.01mg/m2/日(1日あたりの体表面積1平方メートルあたりのミリグラム)程度であり、通常の抗体に比べて数桁低い。非IgG様BsMabsの場合、分子サイズが小さいため、通常の抗体では到達できない抗原にも到達することができる。エボラ出血熱ワクチンの場合、この方法では、従来のモノクローナル抗体による治療では通常アクセスできない細胞内のターゲットに抗体を到達させることができる。 加えて、複数の分子を標的にすることで、並行経路の調節を回避し、治療に対する抵抗性を避けるのに有用でありうる。ほとんどの疾患は身体全体に複雑な多面的影響を及ぼすため、1つの経路で複数のターゲットを結合またはブロックすることは、疾患を止めるために有益である。癌の中には、チェックポイント阻害剤や共刺激性分子に抵抗性を示すものがあるため、併用療法とともに、BsMabは特定のタイプの癌の治療に使用されることが増えつつある。
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