送り雀とは? わかりやすく解説

送り雀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/21 06:08 UTC 版)

送り雀の正体と指摘されている実在の鳥、アオジ

送り雀(おくりすずめ)は、和歌山県奈良県吉野郡東吉野村に伝わる妖怪[1]。和歌山では雀送り(すずめおくり)ともいう[2]。その鳴き声を実在の鳥のアオジにたとえ、蒿雀(あおじ)とも呼ばれる[3]

夜、人が山道を歩いていると「チチチチ……」と鳴きながら飛んでくる[1]。夜に提灯を灯して歩いていると、寄って来るともいう[4]。和歌山では妙法山によく現れたという[5]。この鳴き声の後にはオオカミ[5]、もしくは妖怪・送り狼が現れるといい[4]、道で転倒するとすぐにそれらに襲撃されてしまうため、送り雀の鳴き声を聞いた者は、転ばないよう足元に注意を払いつつ歩いたという[1]

の名の通り、鳥の姿だとされるが、その姿を見た者は誰もいない[4]。前述のアオジが送り雀の正体ともいうが、夜に飛ぶためにアオジとは違うとの指摘もあり[5]、実は兎だという地域もある[6]。また、これと似た妖怪に「夜雀」があり[7]、奈良では夜雀が送り雀と同一視されることもある[8]

脚注

  1. ^ a b c 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、76頁。ISBN 978-4-620-31428-0 
  2. ^ 水木しげる妖鬼化』 4巻、Softgarage、2004年、142頁。ISBN 978-4-86133-016-2 
  3. ^ 多田克己『幻想世界の住人たち』 IV、新紀元社〈Truth in fantasy〉、1990年、85頁。ISBN 978-4-915146-44-2 
  4. ^ a b c 沖野岩三郎「森の動物」『動物文学』33号、動物文学会、1937年9月、45-46頁。 
  5. ^ a b c 民俗学研究所編著 著、柳田國男監修 編『綜合日本民俗語彙』 第1巻、平凡社、1955年、230頁。 
  6. ^ 47都道府県・妖怪伝承百科、2017年、206頁。
  7. ^ 『妖怪事典』、360頁。 
  8. ^ 送り雀”. 怪異・妖怪伝承データベース. 国際日本文化研究センター. 2010年12月25日閲覧。

関連項目


送り雀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 06:11 UTC 版)

天の神話 地の永遠」の記事における「送り雀」の解説

別名「夜雀」。夜遅く山道歩いていると鳴き声つきまとい立ち止まった転んだりすると襲われて喰われてしまう。

※この「送り雀」の解説は、「天の神話 地の永遠」の解説の一部です。
「送り雀」を含む「天の神話 地の永遠」の記事については、「天の神話 地の永遠」の概要を参照ください。

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