退化形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/22 06:23 UTC 版)
「平面における直線の標準形」の記事における「退化形」の解説
直線の方程式の係数が特定の値をとるときは、方程式が何らかの意味で退化してしまうこともある。 方程式 y = b {\displaystyle y=b} は一般形の方程式で A = 0, B = 1 とした特別の場合であり、また傾き・切片標準形で傾きを m = 0 とした特別の場合でもある。この直線のグラフは y-切片が b に等しいような水平線(x-軸に平行)である。b = 0 でない限り x-切片は存在せず、b = 0 でグラフが x-軸に一致するときは任意の実数が x-切片である。 方程式 x = a {\displaystyle x=a} は一般形の方程式で A = 1, B = 0 とした特別の場合であり、このグラフは x-切片が a であるような鉛直線(y-軸に平行)である。この直線の傾きは定まらず、また a = 0 でないならば y-切片も存在しない。a = 0 のときは直線のグラフが y-軸に一致して、任意の実数が y-切片となる。 自明な方程式 y = y , x = x {\displaystyle y=y,\quad x=x} は、全ての変数や定数が相殺されて消えてしまうもので、常に成立する自明な関係式である。これはつまり、もとの方程式は恒等式と呼ぶべきであり、この方程式のグラフはふつう考えない(考えるとすれば今の場合は xy-平面全体である)。たとえば 2x + 4y = 2(x + 2y) は見かけ上二変数の一次方程式だが、等号で結ばれた各辺の数式は x や y の値をどのように定めようとも「常に」等しい。 同様に不能な方程式 e = f {\displaystyle e=f} も見かけ上二変数の一次方程式からは現れうる。方程式を代数的な操作で変形していって 1 = 0 のような成立不能な式が導かれる場合に、もとの方程式は不能であるという。これは x や y をどのように与えても関係式が常に成立しないということであり、この場合もグラフを考えることはふつうしないが、かんがえるとすればそれは空集合である。たとえば 3x + 2 = 3x − 5 は一次不能方程式である。
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