近代の和声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:47 UTC 版)
前期ロマン派(19世紀中盤)、つまりフレデリック・ショパン、フランツ・リスト、ロベルト・シューマン等が活躍した時代には、遠隔調への頻繁な内部転調が好んで用いられるようになった。減七の和音や、ポピュラー音楽でいうところのテンション・ノートが多く用いられるようになった。 後期ロマン派(19世紀末期)、つまりトリスタン和音を媒介したリヒャルト・ワーグナーやその後継者であるアントン・ブルックナー、グスタフ・マーラー、リヒャルト・シュトラウス等が活躍した時代には、内部転調が頻繁となって調性感が希薄となり、音の跳躍進行が頻繁になり、リズム感が薄れ、ついには調性を感じられなくなった。16世紀ヨーロッパに端を発した調性はこうして崩壊に向かった。 印象派(19世紀末期~20世紀初頭)になると、クロード・ドビュッシーが旋法(モード)の手法を導入した。教会旋法をより発展した形で用いたり、全音音階といったある法則性に基づく音階を創作し、旋律や和音をその音階を用いて構成するという手法を用いた。俗に色彩和声と言われる。 近代音楽の和声に古典派で厳密に制御された規則は存在しないが、独自に教程に組み込んだ理論家は存在する。
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