輸血の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 07:55 UTC 版)
受血者の場合、単純に抗D試薬の直接凝集反応で陽性ならD陽性、陰性ならD陰性として扱う。 供血者の場合、ポリクローナル抗Dを用いたD陰性確認試験(間接抗グロブリン法)で陰性の場合のみD陰性、それ以外はすべてD陽性として扱う。 また、前述のD抗原が少なかったり一部が欠損しているWeak DやPartial D型の場合は、受血者のときはRh0(D)(-)、供血者としてはRh0(D)(+)として扱う。。D抗原を持たないRh−型の人にRh+型の血液を輸血すると、血液の凝集、溶血等のショックを起こす可能性がある。またRh−型の女性がRh+型の胎児を妊娠すると、病気・流産の原因となることがある。なお、ABO式血液型と違い、Rh−型の人はD抗原の自然抗体を持たない。そのため、Rh型不適合妊娠による胎児への影響は、第2児以降の出産かD抗原に何らかの形で感作した場合にしか起こらない。ABO式血液型不適合で起こりにくい胎児への悪影響がRh型で起こるのは、抗A抗体や抗B抗体がIgMで胎盤通過性を持たないのに対し、抗D抗体がIgGで胎盤通過性を持つからである。なお、予防のために初回出産時に抗Dグロブリン製剤を投与し、母体が抗D抗体を産生しないように予防するのが一般的である。E抗原の不適合妊娠が問題となることもある。 Rh+(D抗原陽性) Rh−(D抗原陰性)
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