足の悪い若者とバグダードの床屋の物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「足の悪い若者とバグダードの床屋の物語」の解説
青年はバグダードの富裕な商人の一人息子だった。彼はあるとき法官(カーディー)の娘である美しい乙女を見かけ、恋患いに寝付いてしまった。すると一人の老婆が訪れてきて娘との取り持ちを買って出た。老婆から青年の話を聞いた娘は父の法官が金曜の礼拝に出かけている間に家にやって来るよう老婆にことづけた。さて金曜、青年は娘を訪れる前に床屋を呼んで身なりを整える事にした。やって来たのがくだんの床屋だった。青年は床屋をせかすが、床屋は長々とお喋りしていっこうに仕事を済ませないばかりか、青年と娘の逢瀬に付いていこうと出しゃばった。やっと頭を剃り終えた青年は娘のもとへ向かうが、床屋はこっそり後をつけた。青年が上の階の娘の部屋に通されるや否や法官が帰ってきてしまい、下の階の部屋で何か不始末をした奴隷を鞭打ちし始めた。その悲鳴を聞いた床屋は青年が捕まったのだと思い込み、青年の家の人々や群衆を引き連れて法官の家に押し入った。逃げ場のない青年は大きな箱に隠れた。床屋は中に青年がいるのを察して箱ごと外に運び出すが、野次馬が寄ってたかって箱の蓋を開けてしまう。青年はその場から逃げ出そうと箱から飛び降りる際に片脚を折ってしまった。床屋が今後決して青年から離れずその相談役になろうと言うのを聞いてぞっとした青年は、床屋から逃れるために故郷のすべてを捨ててバグダードを出奔した。しかしここ遥かシナの国で再び床屋と遭遇してしまったのだと仕立て屋達に語り終えると、青年は立ち去ってしまった。驚いた一同が青年の話は本当か問いただすと、床屋は自分がその6人の兄達と違っていかにお喋りでなく出しゃばりでもないか聞かせると言って次のように語った。
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