議会共和制国家の国家元首
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 23:59 UTC 版)
議院内閣制を採用する共和国の大統領がこれにあたる。行政は議会に指名される首相に委ねられ、国家元首である大統領は国政の実権を有さない。憲法上、国家元首に期待される役割は、内閣の助言と承認に基づく首相を始めとする官吏の任免や、外国元首・外交官の接受といった儀礼的なものである。大統領は直接選挙で選出される場合と、それによらずに議会の投票により功績のある長老政治家が選出される場合などがある。これらの国の中には、オーストリアの連邦大統領のように法律上は強力な権限を与えられているケースもあるが、そうした権限は長年の不行使により形骸化しており、実際には行使されないのが通例である。 インド、イタリア、アイルランド、アイスランド、ギリシャの大統領、ドイツの連邦大統領、オーストリアの連邦大統領などが、これに分類される。 スイスでは、合議体である連邦参事会(内閣)が国家元首かつ政府の長とされているが、その7人の閣僚の中の1人が輪番制で就任する連邦大統領(任期1年)は、他国において通常、国家元首が果たす儀礼的な機能を果たしている。 スイスに類する例として、かつてのイングランド共和国においても、元首として護国卿が設置されるまでは、合議体である国務院(Council of State)が元首とされた。なお、国務院の議長は(枢密院議長と同じく)Lord President of the Councilと呼ばれたが、ここでいうpresidentは単に議長の意味である。
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