設置と形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 08:53 UTC 版)
鉄道草創期には列車への便所設置はなく、乗客は途中停車駅での休憩時間に慌ただしく用を済ませる必要があったが、鉄道網の延伸で19世紀中期には長距離の鉄道旅行が普通になり、欧米の鉄道では車内に便所を設けることが一般化した。 長距離運用のあるアメリカなどではディーゼル機関車の車内に便所を設置した例もあったが、日本で機関車に便所を設けた例はない。長距離列車の場合でも、機関士・運転士は通常2時間程度乗務し、所定の駅で別の要員と交代するため、便意は長距離乗務のある車掌ほど深刻にはならないとされたからである。なお、貨物列車に乗務するJR貨物では乗務時間が長いため簡易トイレを持参している運転士もいるという。 ヨーロッパのように陸続きの鉄道やアフリカなど治安の悪い国々の鉄道では、無銭乗車者、密入国者、麻薬常用者等の犯罪者が潜伏するおそれがあるため、ホーム停車中はトイレが施錠され使用禁止とされている例もあり、自動小銃を携行した警備員が警戒に当たっている場合もある。日本でも不正乗車をする利用者が中で車内改札(検札)を逃れるケース、通学の中学・高校生などが中で喫煙するケースや、内部で放火などの犯罪が行われたりするケースが後を絶たない。
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