計数手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 23:49 UTC 版)
上記の例図の計数結果雨だれの経路 ひずみ範囲 計数上の繰返し数 0 → 1 ε1 − ε0 0.5 1 → 2 ε2 − ε1 0.5 2 → 3 ε2 − ε3 0.5 3 → 6 ε3 − ε6 0.5 4 → 5 ε5 − ε4 1.0 6 → 9 ε9 − ε6 0.5 7 → 8 ε7 − ε8 1.0 ひずみの時間変化が与えられたとき、レインフロー法では以下のような手順で疲労寿命に有効な成分を計数する。 前提条件 ひずみの変化を横軸に、時間経過を下向きに取り、ひずみ波形の尖頭値(ピーク値)を直線で結び、例図のようなグラフを考える。このグラフを多重になった屋根と見なす。 屋根の付け根(例図において番号が振ってある箇所)から、雨だれが流れ落ちるとする。 上の方の屋根付け根から先に、雨だれが流れ始めるとする。 流れる雨だれは下記の停止条件が満たされるまでは、別の屋根に落ちた後でも流れ続けるとする。 ある付け根からの雨だれが停止したら、1つ下の付け根(例図の場合は次の番号)から、次の雨だれが流れ始めるとする。 右向きに流れる雨だれの停止条件 その雨だれの開始地点の屋根付け根よりも、さらに左側に位置する付け根が出てきたら、その雨だれは停止する。(例図における0から流れる雨だれは、0よりも左にある2が出現したところで停止) または、同じ屋根の面を先行の雨だれが流れていたら、その雨だれは先行の雨だれとぶつかった時点で停止する。(例図における8から流れる雨だれは、先行する6からの雨だれにぶつかったところで停止) 左向きに流れる雨だれの停止条件 その雨だれの開始地点の屋根付け根よりも、さらに右側に位置する付け根が出てきたら、その雨だれは停止する。(例図における1から流れる雨だれは、1よりも右にある3が出現したところで停止) または、同じ屋根の面を先行の雨だれが流れていたら、その雨だれは先行の雨だれとぶつかった時点で停止する。(例図における5から流れる雨だれは、先行する3からの雨だれにぶつかったところで停止) 雨だれ経路から有効成分を計数 各雨だれの開始地点から停止地点までのひずみ変化分が、疲労に寄与する有効ひずみ範囲(全振幅)として計数される。(例図の3から6までの雨だれの場合、Δε3–6 = |ε3 − ε6| が有効ひずみ範囲として計数される ) 各雨だれの疲労繰り返し数は、1/2サイクルとして計数される。 上記の計数手順は、一般的に知られている屋根を伝う雨だれの比喩を用いた計数手順で説明した。「ASTM E1049-85」や遠藤らの「P/V差法」では雨だれの比喩を使わずに厳密な計数手順を与えている。
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