解読のエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 06:06 UTC 版)
「ヴィジュネル暗号」の記事における「解読のエピソード」の解説
チャールズ・バベッジが解読方法を探った理由は単純なものだった。ある日、「私は新しい暗号を発明した」という人物(ジョン・ホール・ブロック・スウェーツといわれている。一般人)が現れて、(その100年以上も前に発明されていたが、世に広く出回らなかったため、「新しい」となってしまった)「学芸協会誌」に論文を発表した。バベッジは「古くからある暗号だ」と主張。しかし、スウェーツは「ならば、この暗号を解いてみろ」と反論。解ける解けないと古い新しいは、全く関係なかったものの、バベッジはその挑戦を受けてたった。 解読に成功したのは、スウェーツとの論争のしばらく後の1854年だと考えられている。「考えられている」というのは、バベッジはこれを公表しなかったのである。1863年にカシスキー (en:Friedrich Kasiski) が、同じ手法を発見し、『暗号文と解読技術』という本にまとめて出版している。これをバベッジが先に発見したということは20世紀に入ってから分かったことである。長らくの間、この手法が「カシスキー・テスト」と呼ばれていたのもそのせいである。 バベッジが発表しなかったことについては、単にその気がなくなってしまっただけ、発見同時期に勃発したクリミア戦争を踏まえて、イギリスの情報局がバベッジに秘密にするように要請した(これが本当ならばイギリスはおよそ9年間、各国の機密情報を漏らさず知っていたことになる)、などの憶測を呼んでいるが、いずれも仮説の域を出ていない。
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