複視で、麻痺側がどちらかを決定する方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/10 15:30 UTC 版)
「眼球運動障害」の記事における「複視で、麻痺側がどちらかを決定する方法」の解説
複視には単眼性複視と両眼性複視がある。単眼性複視とは片目を覆っても消失しない複視であり両眼性複視とは、片目を覆ると消失する複視である。単球性複視では眼鏡、コンタクトレンズ、眼球に問題があると考える。両眼性複視は視線の不一致が原因なので様々な原因疾患を考えなければならない。一般に複視の25%が単眼性であり、75%が両眼性である。両眼性ならば問診によって鑑別疾患を絞る。両眼性複視の場合は健側眼では中心視野でとらえ、麻痺側では周辺視野でとらえるために像が二重になる(斜視の場合は抑制がかかるため二重には見えない)。従って、麻痺側眼の像(仮像)は常に健側眼の像(真像)の外側に生じることになる。診察では複視が生じるどちらの像が消えたかを尋ねる。例えば、右目を遮蔽した時に外側の像が消えれば右眼が麻痺側である(被覆/被覆解除テスト)。麻痺筋の特定での経験則として簡便な方法もある。両眼視で6つ基本方向のどれを見たときに複視が最も酷くなるのか患者に尋ねれば麻痺筋の特定は楽である。さらにMaddoxの記憶法を用いると便利である。これは「異常筋は同名直筋かあるいは正反対の斜筋である」というものである。麻痺筋が推定できれば、神経診断学に基づき更なる精査を行っていく。
※この「複視で、麻痺側がどちらかを決定する方法」の解説は、「眼球運動障害」の解説の一部です。
「複視で、麻痺側がどちらかを決定する方法」を含む「眼球運動障害」の記事については、「眼球運動障害」の概要を参照ください。
- 複視で、麻痺側がどちらかを決定する方法のページへのリンク