行簡約階段形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/06 13:43 UTC 版)
行列が行簡約階段形(Reduced row echelon form : 行標準形とも呼ばれる)であるとは、以下に述べる条件を満たすことを言う。ある行列の行簡約階段形は、ガウスの消去法によって算出することが出来る。しかし、行階段形とは異なり、行簡約階段形は一意で、その算出方法に依存するものではない。 ゼロでない成分を持つ行は全て、ゼロしか成分に持たない行の上に位置する。 主成分は常に、その上の行の主成分よりも真に右側に位置する。 全ての主成分は 1 であり、その主成分を含む列の中で唯一つのゼロでない成分である。 行簡約階段形である行列は、行階段形についての全ての条件を満たし、さらに制限されている。 行簡約階段形である行列の例を、次に挙げる: [ 1 0 0 0 b 1 0 1 0 0 b 2 0 0 0 1 b 3 ] {\displaystyle \left[{\begin{array}{ccccc}1&0&0&0&b_{1}\\0&1&0&0&b_{2}\\0&0&0&1&b_{3}\end{array}}\right]} ここで、行列の左側は常に単位行列であるという訳ではないことに注意されたい。例えば、次に挙げる行列も行簡約階段形である: [ 1 0 0 1 / 2 0 b 1 0 0 1 − 1 / 3 0 b 2 0 0 0 0 1 b 3 ] {\displaystyle \left[{\begin{array}{cccccc}1&0&0&1/2&0&b_{1}\\0&0&1&-1/3&0&b_{2}\\0&0&0&0&1&b_{3}\end{array}}\right]} 整数係数の行列に対するエルミート標準形は、ユークリッド除法を用いてどのような有理数や分母も導入することなく算出される行階段形である。一方、整数係数の行列の行簡約階段形は、一般に非整数の成分を含む。
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