血液疾患における代表的染色体異常
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 04:34 UTC 版)
「染色体異常」の記事における「血液疾患における代表的染色体異常」の解説
白血病をはじめとする多くの血液疾患において染色体異常を認める。これらは後天的な変化であり、遺伝はしない。あくまでがん細胞(すなわち異常血液細胞)に限局して生じた染色体異常であり、患者の生殖細胞はもちろんのこと、患者の血液に含まれる正常な血液細胞や、他の組織の体細胞にも、これらの異常はみられない。 代表的転座・逆位・欠失・増幅・数の異常については『日本人類遺伝学会』の「09. 白血病・固形腫瘍 a,白血病の間期核FISH分析 p.4」を参照。 有名な染色体異常(p:短腕、q:長腕、数字:バンド) 5qモノソミー(5q-症候群) 5番染色体長腕の一部が欠失することによって起こる骨髄異形成症候群の一種。 t(8;21)(q22;q22) AML1/ETO融合遺伝子 急性骨髄性白血病M2型(分化傾向を持つ急性骨髄芽球性白血病)、AML(M2)の 18~40%に見られる。 t(9;22)(q34;q11.2) BCR/ABL融合遺伝子 慢性骨髄性白血病 別名:フィラデルフィア染色体、CMLの90%以上、ALLの20%に見られる。 t(11;14)(q21;q32) BCL1遺伝子 マントル細胞リンパ腫 t(14;18)(q32;q21) BCL2遺伝子 濾胞性リンパ腫、B細胞系のリンパ腫に見られる。 t(15;17)(q22;q12) PML/RARα融合遺伝子 急性骨髄性白血病M3型(急性前骨髄性白血病)、APLの70%に見られる。
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