血液脳関門と血液脳脊髄液関門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:43 UTC 版)
「薬物動態学」の記事における「血液脳関門と血液脳脊髄液関門」の解説
脳への薬物移行には血液脳関門(blood-brain-barrier; BBB)と血液脳脊髄液関門(blood-cerebrospinal fluid barrier、BCSFB)の2つの経路が知られている。BBBの表面積はBCSFBに比べて5,000倍も大きいことから薬物輸送経路としてはBBBの方が優れている。さらにBBBを構成する脳毛細血管は脳内を網目状に巡っていることからBBBを通過した薬物は脳神経細胞に到達しやすい。一方、BCSFBを構成する脈絡叢を通過した薬物は脳脊髄液中に移行したのち、CSFとともに静脈に移行する。標的部位の脳神経細胞へ到達するには静脈へ移行する前に細胞間液中を拡散する必要があるが、脳脊髄液中から遠い部位への移行は著しく制限を受ける。特に分子量の大きい蛋白質医薬品や核酸医薬品は拡散による移行はほとんど期待できない。
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