蘇生の基本的な流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 07:02 UTC 版)
蘇生の基本的な流れに関しては、アルゴリズム図が公開されており、これに基づいて行う。 出生直後のチェックポイントとして、「早産児」「弱い呼吸・啼泣」「筋緊張低下」の3つを評価する。これらのうち、いずれか一つでも満たす場合には、初期処置(保温、体位保持、気道開通、皮膚乾燥と刺激)を行う。 しかるのちに「自発呼吸なし」または「心拍100/分未満」を満たす症例では、出生後60秒以内にバッグ・ マスク換気による人工呼吸を開始する。人工呼吸開始後も徐脈が続く場合には人工呼吸を継続するが、換気が適切か必ず確認する必要がある。人工呼吸開始後も心拍数60回/未満である場合、人工呼吸(+酸素投与)と胸骨圧迫を1:3の割合で開始する。その後も心拍数60回/未満が続く場合、アドレナリンの投与を検討する。これら、出生後60秒以内の人工呼吸を要する症例における蘇生の流れを「救命の流れ」と呼び、アルゴリズム図の左側(直線的な流れ)に相当する。なお、呼吸様運動があったとしても、それが あえぎ呼吸であれば、「自発呼吸なし」に準じて人工呼吸を開始する必要がある。 一方、「自発呼吸あり」かつ「心拍100/分以上」の症例では、「努力呼吸」と「チアノーゼ」のいずれかがみられる場合に、SpO2 モニタを装着の上、必要に応じてCPAPまたは酸素投与を行う。その後も改善傾向がみられない場合には、人工呼吸を検討する。酸素化不良のみが続く場合には、チアノーゼ性心疾患を鑑別する。これら、出生後60秒以内の人工呼吸を要さない症例における蘇生の流れを「安定化の流れ」と呼び、アルゴリズム図の右側(への分岐)に相当する。 出生直後のチェックポイントとして「早産児」「弱い呼吸・啼泣」「筋緊張低下」のいずれも満たさない場合には、母親のそばでルーチンケア(保温・気道開通・皮膚乾燥)を行い、さらなる評価を継続する。 目標とする酸素飽和度(SpO2)経過時間SpO21分 60%以上 3分 70%以上 5分 80%以上 10分 90%以上
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