薬剤が再生不良性貧血を引き起こす機序
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/16 09:43 UTC 版)
「薬剤性再生不良性貧血」の記事における「薬剤が再生不良性貧血を引き起こす機序」の解説
再生不良性貧血の発症自体が人口100万人あたり年間5人程度であり、そのうち医薬品に起因するものはさらに少数で研究材料に乏しい。また研究も細胞免疫の観点から行うのが主流である。したがって再生不良性貧血の発症と種々の医薬品との因果関係や発症機序については不明な点が多い。 発症のパターンとしては投与量に依存性のタイプと、用量非依存性のタイプがある。用量依存性のパターンでは細胞毒性によって発症が引き起こされ、非依存性のパターンでは特殊なアレルギー反応によって引き起こされると考えられている。用量依存性のものは可逆的に回復するが、非依存性のものは不可逆的変化であり、十分な治療が行われなければ予後不良であることが分かっている。 非依存性のパターンでは投与量、投与期間に関係なく突発的に発症するため、治療計画を立てることが難しい。発症機序がよく研究されているクロラムフェニコールでは、両方の機序が関与していると考えられている。また、同じ医薬品を投与されても特定の個人のみで発症する場合もあり、その理由は明らかではなく、可能性としてヒト白血球抗原や薬物代謝酵素の遺伝子多型といった遺伝的素因が考えられている。
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