薄暮開催の経緯と背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 03:55 UTC 版)
従来より各公営競技は法令により、日没以降の開催が出来ない制約があったが、夏は日没時刻が遅くなることに着目し、開催時間を日没直前までスライドさせて、時間をできるだけ有効に使うアイデアが生み出された。平日に開催することが多い公営競技では、会社帰りと重なる夕方の時間帯に開催することで、新たな客層を掘り起こそうという狙いもあった。 日本における最初の薄暮開催は、1983年(昭和58年)7月23日に下関競艇場で行われた。通常は11時台に行われていた第1競走を14時過ぎに、最終競走も16時台から18時30分過ぎにスライドして開催したところ、4日間の売上額(9億9500万円)・入場者数の累計(2万7600人)がともに目標を上回った。その後、他の競技場でも同様に薄暮開催を行うところが増えていった。 この薄暮競走の成功が、ナイター競走開催の布石となった。現在はナイター競走を可能にするため法令は改正されたが、照明設備のない競技場では現在でも基本的には「開催は日没まで」という行政指導が行われている。なお、日没の早い冬場に薄暮競走と似た時間帯でナイター競走を行う例もあるが、これも広義の薄暮競走として扱われている。 薄暮競走はナイター共々電話投票を利用する場合、対応できない金融機関も存在する。 以下の理由により、薄暮競走は夏期に開催されることが多い。 日中は日差しがきつく、気温も暑く湿度も高いが、夕方は気候が涼しくなるため(主に北海道や東北地方、北陸など) 日没が遅く、夕方でも昼間同様、充分に明るいため(主に近畿地方以西の地域など)
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