荻野稔とは? わかりやすく解説

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荻野稔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/16 04:44 UTC 版)

荻野 稔
おぎの みのる
本人事務所より
生年月日 (1985-11-30) 1985年11月30日(39歳)
出生地 群馬県
出身校 群馬県立伊勢崎東高等学校
(現:群馬県立伊勢崎高等学校
前職 NPO法人理事
議員秘書
現職 大田区議会議員
Vtuber
所属政党維新の党→)
(おおさか維新の会→)
日本維新の会→)
無所属→)
都民ファーストの会
公式サイト 大田区議会議員おぎの稔(荻野稔)公式サイト

大田区議会議員
選挙区 東京都大田区
当選回数 3回
在任期間 2015年 - 現職
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議員系Vtuber おぎの稔(おぎのみのり)
人物
職業 バーチャルYouTuber
YouTube
チャンネル
活動期間 2020年4月1日 -
ジャンル ブログ政治エンターテイメント
登録者数 1.83万人
総再生回数 283,568 回
事務所(MCN 無し
関連人物 バーチャル美少女ねむ
挨拶 議員系Vtuber
チャンネル登録者数・総再生回数は
2024年11月3日時点。
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荻野 稔(おぎの みのる、1985年11月30日 - )は、日本政治家同人作家バーチャルYouTuber大田区議会議員(3期)[1]都民ファーストの会都政改革委員(大田区担当)[2]。選挙運動やSNSではおぎの稔の表記を用いる。

2008年の創作物規制反対運動や2010年の東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案(非実在青少年問題)への反対運動に参加し、表現の自由を守る活動を通じて政治家としてのキャリアを始めた。[3]

てんかんADHDの持病を公表し、また、自死遺族としての経験を基に障害者支援やメンタルヘルス政策を訴える[4]

2024年には東京青年会議所大田区委員会の第50代委員長を務めた[5]

来歴

荻野は1985年11月30日、群馬県に生まれ、群馬県立伊勢崎高等学校を卒業後、上京しアミューズメントメディア総合学院を卒業。NPO活動に従事しながら、慶應義塾大学経済学部通信課程に進学した[6]

2008年の児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児ポ法)の改正案における創作物規制や単純所持禁止に反対する署名運動、2010年の石原慎太郎都知事の下で行われた東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案(非実在青少年問題)への反対運動に参加したことがきっかけとなり、表現の自由を守る市民運動に取り組み、政治家としてのキャリアをスタートさせた。この問題は、漫画やアニメの「非実在青少年」を規制対象とする内容が議論され、クリエイターやファン層から反発を招いた。荻野はクリエイターやファンコミュニティと連携し、署名活動や勉強会を通じて政治的意識を高めた。(この騒動を機に、こうした反表現規制の活動を行う人々を「表現の自由戦士」や「表自界隈」と呼ぶようになった。)

2010年より議員秘書を務め、2013年から柳ヶ瀬裕文東京都議会議員の秘書を務めた[7]

2015年4月、維新の党公認で大田区議会議員選挙に立候補し初当選[8]

2018年10月、特殊詐欺事件に関連し口座が悪用された疑いで事情聴取を受け、同年12月31日付で議員を辞職[9]

2019年4月、大田区議会議員選挙に無所属で立候補し再選[10]

2020年4月、バーチャルYouTuber(VTuber)としての活動を開始。

2023年4月23日、大田区議会議員選挙に無所属で3期目の当選。当選後は都民ファーストの会国民民主党所属の大田区議会議員と会派を組み、幹事長に就任[11][12]

2024年1月、東京青年会議所大田区委員会の第50代委員長に就任[5]。(同年12月に任期満了)

2025年2月、2025年6月22日執行予定の東京都議会議員選挙で都民ファーストの会公認候補として大田区選挙区から立候補することが発表された[13]

人物

  • 『オタク議員』を自称し、オタク文化の多様な側面に携わっている。コスプレ、同人誌、ゲームなどを通じてサブカルチャーを促進している。[14]
  • 趣味の「Dead by Daylight」(全世界で1日あたり最高200万人のユーザーが参加するマルチプレイアクションのサバイバルホラーゲーム)で世界ランキング77位になり配信者に紹介された[15]

議員としての活動

表現の自由とサブカルチャー振興

  • コミックマーケットがまだ小規模だったころに、大田区で現在のコスプレの源流の活動があったと主張。大田区にも議会質問においてコスプレ発祥の地であるとの認識を確認している。[16]実際に大田区は区制70周年記念事業の一つとして、コスプレイベントに対して補助金を出し支援をしている[17]

障害者支援とメンタルヘルス

  • てんかんADHDの持病を公表し、自死遺族としての経験を基に障害者支援やメンタルヘルス政策を推進[20]

情報発信とバーチャルYouTuber活動

  • 2025年5月現在、X(旧Twitter)ではフォロワー数が10万人を超えており[21]、政治家としての活動やVTuberとしてのコンテンツを通じて幅広い支持を得ている。
  • 議会報告に「政策マンガ」を活用し、野上武志(『戦姫絶唱シンフォギア』)や鈴木みそ(『』)が作画を担当。マンガは公式サイトやXで公開され、若者やオタク層に政策を伝える手段として評価されている。
  • 2020年からバーチャルYouTuber(VTuber)として活動し、政策説明や地域課題のライブ配信を行い、若年層とのコミュニケーションを強化している。
  • 2021年、Discord内に自身のサーバー「バーチャル大田区Discord支部」を作成し、最盛期には5,000名を超える登録者がいた[22]。登録が出会いとなり結婚し大田区民となったカップルも現れた。[23]

地域リーダーとしての役割

  • 地元の町会、商店会、消防団、神輿の会などに所属し、地域に根ざした活動を行う。
  • 2024年1月、東京青年会議所大田区委員会の第50代委員長[5]として、大田区長と若手経営者との意見交換・交流の場を作った[25]

選挙歴

当落 選挙 執行日 年齢 選挙区 政党 得票数 得票率 定数 得票順位
/候補者数
政党内比例順位
/政党当選者数
大田区議会議員選挙 2015年4月26日 29 維新の党 3653票 1.39% 50 30/65 /
大田区議会議員選挙 2019年4月21日 33 無所属 3304票 1.33% 50 43/70 /
大田区議会議員選挙 2023年4月23日 37 無所属 8110票 3.05% 50 3/82 /

政策・主張

  • 大田区内の学力格差のデータを公開し、学力の偏在是正を訴える[26]
  • コロナ禍でのイベント施設使用制限に慎重な姿勢を示し、同人誌即売会主催者らと共に東京都に陳情[27]
  • 漫画を活用して政治を身近にすることを目指すと発言[28]
  • 海外(カナダ)のメディアの取材で、児童を性的対象とした漫画を守る必要があるかとの質問に対し、(荻野は非実在青少年を題材とするアニメ・ゲーム等の創作物 (フィクション )については権利を侵害される実在そのものが存在しないことから表現を規制すべきではないという立場のため)守る必要があると回答[29]

所属団体・議員連盟

  • 全国若手市議会議員の会 東京都支部にあたる東京若手議員の会に所属 [1]
  • 日本青年会議所の地域組織、公益社団法人東京青年会議所に所属。2022年にわんぱく相撲委員会の副委員長、2024年に大田区委員会の委員長[5]を務めた。
  • 消防団 矢口消防団5分団に所属

作品

  • <7月4日、決戦・東京都議会議員選挙>(2021年7月)
  • V・VOTE(ぶい・ぼ〜と)【衆議院議員選挙投票啓発動画】(2021年10月)
  • シン・サンギインセンキョ【選挙啓発特撮パロディ動画】(2022年7月)

ディスコグラフィ

参加アルバム

タイトル アルバム 発売日 規格 備考
コンピレーション ココロコスプレ(おぎの稔ver) VIRTUALIC NATION 2020年8月11日 デジタル・ダウンロード 編曲:Cyber Brigade

VTuberコンピレーションアルバム「VIRTUALIC NATION」プロジェクトによる。

VTuber「バーチャル美少女ねむ」の楽曲をカバー。

不祥事

口座不正譲渡

2018年10月、前年2月に発生した特殊詐欺事件で荻野の口座が振込先となっていたため、警視庁から犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)に違反し悪用された疑いで事情聴取を受けた。荻野は金融業者を名乗る男に借り入れを申し込んだ際にキャッシュカードなどの送付を求められ、それに従ってしまったところ持ち逃げされてしまったと弁明し、詐欺被害者への弁償の意向を示し謝罪した[9]。日本維新の会は同年10月3日付で党員資格を無期限停止し[9]、同年12月31日付で議員を辞職。その後、2019年4月の選挙で無所属として再選。

脚注

  1. ^ 大田区議会議員名簿”. 2025年4月4日閲覧。
  2. ^ 都民ファーストの会 所属議員 おぎの稔”. 2025年4月4日閲覧。
  3. ^ 『“マンガで公約をわかりやすく説明する人”…オタク流の選挙宣伝で、“ラブライバー”兼“艦これ提督”の区議員が爆誕!』(2015年4月29日 おたぽる)のアーカイブ
  4. ^ [当事者と地方議員]発達障害・てんかん・自死遺族―おぎの稔 前大田区議”. 2025年4月4日閲覧。
  5. ^ a b c d 公益社団法人東京青年会議所2024組織図”. 2025年4月4日閲覧。
  6. ^ 機密研究読本 2017, pp. 100–101, 「政治家×シン・ゴジラ 大田区議会議員 おぎの稔」
  7. ^ おぎの稔 | 都民ファーストの会 大田区議会議員
  8. ^ 大田区議会議員選挙(2015年04月26日投票)
  9. ^ a b c “日刊スポーツ 維新区議口座を振り込め詐欺悪用、警視庁が任意聴取”. (2018年10月4日). https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201810040000176.html 2025年4月4日閲覧。 
  10. ^ 大田区議会議員選挙 - 2019年04月21日投票”. 2020年7月12日閲覧。
  11. ^ 選挙速報”. www.city.ota.tokyo.jp. 2023年4月24日閲覧。
  12. ^ 大田区議会だより(令和5年)”. www.city.ota.tokyo.jp. 2025年4月24日閲覧。
  13. ^ 令和7年執行 東京都議会議員選挙 都民ファーストの会 公認候補予定者決定(5次公認) - 都民ファーストの会 2025年2月3日 (PDF)
  14. ^ a b 第4回 「マンガ」で政治をもっと身近に。「オタク議員」が目指すまちづくりとは - 政治山 2015年12月配信
  15. ^ “[https://www.youtube.com/watch?v=LZjOdVrPdtw 【DbD/Live】猫様お迎えした昼のDBD #868 ※マシュマロ回答あり ざわ氏/zawashi]”. 2025年5月10日閲覧。
  16. ^ 大田区議会 平成29年 第2回 定例会-06月16日-02号”. 2025年4月4日閲覧。
  17. ^ OTAKU コスプレ祭り in 京浜蒲田商店街(大田区70周年記念PR事業助成対象事業)”. 2025年4月4日閲覧。
  18. ^ “日刊ゲンダイ Vチューバーをめぐる「フェミニスト議連」の抗議に署名6万件 なぜ反感を買ったのか?”. (2021年6月24日). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/295110 2021年9月24日閲覧。 
  19. ^ よろず~ニュース編集部 (2023年6月18日). “あおちゃんぺ 渋谷〝水着パレード〟で女性の活動支援 水着撮影会中止問題受け「何を売るかはワタシが決める」”. よろず~ニュース. https://yorozoonews.jp/article/14935550 2023年6月30日閲覧。 
  20. ^ [当事者と地方議員]発達障害・てんかん・自死遺族―おぎの稔 前大田区議”. 2025年4月4日閲覧。
  21. ^ 大田区議会議員_おぎの稔 議員系Vtuber_都民ファーストの会”. 2025年5月11日閲覧。
  22. ^ 5000人のオタクが集う議員VTuberのディープなネットコミュニティに潜入
  23. ^ 沙弥閣下
  24. ^ 秋山はじめ (2022年11月18日). “国技館で開催されたイベント、何かがおかしい 「地獄のような光景」と思いきや…”. Sirabee/しらべぇ. 2023年7月27日閲覧。
  25. ^ 大田区長と若手経営者との意見交換会”. 2025年4月23日閲覧。
  26. ^ 経済格差、子どもの学習環境の偏在にも自治体は目を向けるべき--- 荻野 稔”. アゴラ (2020年10月3日). 2022年4月9日閲覧。
  27. ^ コロナ禍における同人イベント会場利用に対する要望書を提出しました。」『選挙ドットコム』2021年5月7日。
  28. ^ 【20代当選議員の挑戦】第4回 「マンガ」で政治をもっと身近に。「オタク議員」が目指すまちづくりとは - 政治山 2015年12月10日
  29. ^ Inside the Pedophilic Manga Industry in Japan [Vice News]2022年11月22日

参考文献

外部リンク




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