茅野蕭々とは? わかりやすく解説

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ちの‐しょうしょう〔‐セウセウ〕【茅野蕭々】

読み方:ちのしょうしょう

[1883〜1946ドイツ文学者歌人長野生まれ本名、儀太郎雅子の夫。著「ゲョエテ研究」、翻訳リルケ詩抄」。


茅野蕭々

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 06:58 UTC 版)

茅野蕭々

茅野 蕭々(ちの しょうしょう、1883年3月18日 - 1946年8月29日[1])は、日本のドイツ文学者詩人翻訳家。本名は茅野 儀太郎[1]、号は暮雨。妻は歌人の茅野雅子(旧姓:増田)。

経歴

長野県諏訪郡上諏訪村(現諏訪市)出身。諏訪郡立実科中学校第一高等学校を経て、1908年東京帝国大学独文科卒業[1]。同科の同級生に小宮豊隆小牧健夫、1年上に成瀬無極、一年下に小野秀雄がいた[2]第三高等学校教授、慶應義塾大学教授、日本女子大学教授を歴任した[1]

旧制一高在学中から与謝野鉄幹が主宰する新詩社の『明星』同人として短歌評論等を寄せ、妻雅子とともに活躍した[1]。「蕭々」は与謝野鉄幹から与えられたペンネームである[1]。『明星』廃刊後は、森鷗外、与謝野鉄幹らの『スバル』で活躍した。

リルケゲーテその他の翻訳書が多数ある。

茅野は当時、与謝野晶子山川登美子とともに『明星』に短歌を寄せ活躍していた3歳年上の増田雅子に熱烈な求婚をし、親の反対を受けた雅子が日本女子大の卒業を待って、絶縁覚悟で大学生の蕭々と結婚した。

戦時中は日本文学報国会外国文学部会長であった。1945年東京大空襲で被災して顔面に火傷を負い、翌1946年失意のうちに脳溢血で急死し、雅子も後を追うごとく4日後に病死した。墓所は雑司ヶ谷霊園

著書

  • 『世界文学思潮』(日進堂) 1925
  • 『ゲョエテ研究』(第一書房) 1932
  • 『ゲョエテと哲学』(第一書房) 1936
  • 『獨逸浪漫主義』(三省堂) 1936
  • 『朝の果實』(茅野雅子共著、岩波書店) 1938:随筆集

翻訳

  • 「人形つかひ」(シユトルム、家庭読物刊行会、『世界少年文学名作集』) 1919
  • 「兄と妹」(エエブネル・エツシエンバツハ、家庭読物刊行会、『世界少年文学名作集』) 1921
  • 『独逸戯曲集』(玄文社出版部) 1923
  • 『闖入者』(メエテルリンク、近代劇大系刊行会、近代劇大系10) 1923
  • 『ダマスクスへ』(ストリントベルク岩波書店、ストリントベルク全集1) 1924
  • 『令嬢ユリー / 友だち』(ストリントベルク、岩波書店、ストリントベルク全集3) 1924
  • 『リルケ詩抄』(リルケ、第一書房) 1927、のち岩波文庫 2008[3]
  • 『令嬢ユリエ』(ストリントベルク、岩波文庫) 1927
  • 若いヱルテルの悩み』(ゲヨエテ、岩波文庫) 1928
  • 『近代劇全集 第1巻』(第一書房) 1928
「ブランド」「ペエア・ギユント」(ヘンリック・イプセン
  • 『世界大思想全集 十九世紀文学主潮史9』(ゲーオア・ブランデス、春秋社) 1930
  • 『近代劇全集 第5巻』(第一書房) 1927
「グラィヒェン伯爵」「ピグマアリオン」(シュミットボン)
  • 『近代劇全集 第11巻』(第一書房)
「海戦」(ゲョエリンク)、「緑の鸚哥」(シュニッツレル

論文

  • 詩歌の根本疑を解く(明星、明治40年7月号)
  • 詩歌の本質(明星、明治41年4月号)

脚注

  1. ^ a b c d e f 番匠谷英一『茅野蕭々先生』日本独文学会、1947年。doi:10.11282/dokubun1947.1.107https://doi.org/10.11282/dokubun1947.1.1072021年10月4日閲覧 
  2. ^ 『新聞研究五十年』小野秀雄、毎日新聞社、1971、p10
  3. ^ この訳詩集について、福永武彦『異邦の薫り(いはうのかをり)』新潮社 1979、141-153頁にエッセーがある。

参考文献

  • 『明治大正詩史』(日夏耿之介、河出書房新社) 1991
  • 『長野県歴史人物大事典』(郷土出版社) 1989


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