英雄崇拝とその栄光
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ピエール・グリマルによれば、ヘーラクレースとその数々の武勇譚はミュケーナイ時代に原形的な起源を持つもので、考古学的にも裏付けがあり、またその活動は全ギリシア中に足跡を残しているとされる。ヘーラクレースは神と同じ扱いを受け、彼を祭祀する神殿あるいは祭礼はギリシア中に存在した。古代ギリシアの名家は、競ってその祖先をヘーラクレースに求め、彼らはみずから「ヘーラクレイダイ(ヘーラクレースの後裔)」と僭称した。 アキレウスもまた、アガメムノーンなどと同様に、いまは忘却の彼方に沈んだその原像がミュケーナイ時代に存在したと考えられるが、彼は「神々の愛した者は若くして死ぬ」とのエピグラムの通り、神々に愛された半神として、栄誉のなか、人間としてのモイラ(定業)にあって、英雄としての生涯を終えた。彼の勲と栄光はその死後にあって光彩を放ち人の心を打つのである。
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