芦毛遺伝子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 14:10 UTC 版)
芦毛の起こるメカニズムは長らく不明であったが、2008年にスウェーデンの研究者らによって、25番染色体に存在するSTX17(細胞分裂の調整因子に関連)と呼ばれる遺伝子の変異が原因と解明された。この変異はエクソンではなくイントロンに生じており(厳密には第6イントロンの4600塩基が重複)、STX17の機能自体には影響を与えないが、このイントロンがSTX17及び隣接するNR4A3(細胞周期の調整因子)の発現を増加させる。これによりメラノサイトの過剰増殖が引き起こされ、結果的に毛根メラノサイトの早期枯渇を引き起こすと考えられている。 STX17の変異は、品種の異なる全世界の芦毛馬に共通しており、古い時代のある一頭の馬に生じた変異が広まったと考えられる。競走用に使用される馬種であるサラブレッドにおいては、18世紀初頭のオルコックアラビアンにより芦毛遺伝子が持ち込まれた。
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