船籍、旗国、船籍港
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:37 UTC 版)
船籍 ship registration 船はそれぞれ国籍、すなわち船籍(en:ship registration)を持つ。特に公海の秩序維持は原則として各船舶の旗国(en:flag state)の管轄権行使によって保たれるため、船籍はきわめて重要な意味を持っている。 旗国 flag state 各船は旗国(en:flag state)を持っており、たとえば、ある船Aがノルウェー船籍の船だとすると、ノルウェー国旗をかかげて航行することになり、この船Aにとってはノルウェーが旗国である。旗国は、船籍を根拠として、自国の船舶に対して管轄権の行使や外交的保護権の発動などを行う。公海における旗国による自国船舶の規律および規制は、公海の秩序維持の重要な制度であり、これを旗国主義という。 船籍港 port of registry 「船籍港」は人間の本籍地に相当する。各船の登録文書にそれが明記される。IMOは船尾にそれを表示する、との規則を定めている。各国の船舶関連法規でも同様に船尾に表示する、と定めている国も多い。日本船籍の船は、船舶法の定めによって、船籍港を定めて管轄の運輸局にトン数を申請し、船尾に船籍港を表示しなければならない。 便宜置籍船 船舶に課される税金は、リベリア(港名 : モンロビア)、パナマ(港名 : パナマ)、キプロス(港名 : リマソール(レメソス))が低率であり、これらの国では(実態は)外国の船の登録を誘致している(登録後はこれらの国にとっては名目上は自国の船になる)。このような船を「便宜置籍船」と呼ぶ。便宜置籍国には安全な航海のために規制を行う十分な法律が存在しないために、便宜置籍船は一般に乗組員の質が劣り事故の発生率も高いため、国際的な問題となっている。 カボタージュ 「カボタージュ」と呼ばれる規制によって、国内港間の輸送を行う船は自国籍の船でなければならない、として、(便宜置籍船を含めて)外国籍船を排除し、国内の海運会社や国内の業界を保護している国がいくつもある。日本もそのような国々のひとつである。
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