自然保護活動の有効性への疑問
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:31 UTC 版)
「世界自然保護基金」の記事における「自然保護活動の有効性への疑問」の解説
WWFのように巨大な組織と資金力をもつ団体は、硬直化した官僚的なヒエラルキーや、それによる無能さ・非効率さをしばしば批判されている。たとえば、WWFは貴重な生物多様性をもつボルネオ島の中心的なエリア(ハート・オブ・ボルネオ)での生態系保全プログラムを実施しており、WWFの責任者はそのプログラムの成果を喧伝している。しかし現地の専門家はこれについて「現場での成果を何一つあげていないと思う」と述べており、森林の消失や野生サイの減少を止めることには役立っていない、という。 シュピーゲル紙によれば、WWFは巨額の資金援助を受け、1970年代から継続してインドのトラの保護を続けている。しかしトラの減少は止まらず、当初の4,000頭から1,700頭まで激減した。それにもかかわらずWWFはインドでのトラ保護プログラムを「成功」と見なし、「WWFの努力がなければ今頃は絶滅していた可能性が高い」と述べている。またスマトラ島では、WWFは熱帯雨林保護の成果を強調しているものの、実際には「熱帯雨林保護区」が広がっただけで、その中の森林は減少している。 野生生物の保護に成功していない一方で、保護区域内の住民は住居を奪われ、「自然保護難民」と化しているという。シュピーゲル紙によればアフリカだけで過去1,400万人の自然保護難民が発生したとされ、同紙は「新植民地主義」として批判している。
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